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【Unity】Steam ビルドデータのアップデート方法 macOS Windows

はじめに

過去記事で初めてビルドデータをアップロードする手順を書いています。

marumaro7.hatenablog.com

今回はデータをアップロードする手順になります。

1.デポの設定

最初にデポの設定を行っていきます。

1-1.デポの新規作成

→「Steamworks設定を編集」を押します。


→「SteamPipe」タブ
→「デポ」


→「新しいデポを追加」


作成するデポに対して名前の入力とデポIDの選択を求められます。
デポの名前:
 Windows用とわかるようにしたいので
 「自分のアプリ名 Win バージョン情報」としておきます。
デポID :
 デフォルトのままで問題ありません。


macOS用にもデポを作成したいため続けてもう一度「新しいデポを追加」を押して作成します。
デポの名前:
 macOS用とわかるようにしたいので
 「自分のアプリ名 Mac バージョン情報」としておきます。
デポID :
 デフォルトのままで問題ありません。


その後、オペレーティングシステム
WindowsMacへそれぞれ変えます。
「保存」をお忘れなく!

1-2.デポの追加

アプリ管理画面まで戻り、「関連する全てのパッケージ、DLC、体験版、ツール」を押します。


ストアパッケージのパッケージタイトルの欄が押せるのでクリック


「デポの追加/削除」を押します。


先程作成したデポが表示されているはずです。
両方を追加して保存します。


「含まれるデポ」に新規作成したデポが追加されました。


デポの追加が必要なのは今の画面だけではなくあと2箇所あります。
1つ前の画面に戻って、今実施したデポの追加を「プロモーションあるいは特殊パッケージ」の
2つのパッケージに対しても実施します。


1-3.デポの公開

デポに対してビルドデータのアップロードを行うのですが、
今までの設定を「公開」しないとアップロードができません。

ここからはそのための手順になります。

→アプリ管理画面
→「Steamworks設定を編集」


→「公開」タブ
→「公開の準備」


→「Steamに公開」ボタンが出現するので押す。


→確認コードを入力しろと言われるので説明文の通りに確認コードを入力
→「本当に公開する」
※未リリースの場合はリリースされるわけではないのでご安心を。

これでビルドデータをアップロードする準備ができました。

2.ビルドデータアップロード

ビルドデータのアップロードは2種類あります。
・Zipファイル(最大 2048MB)をSteamに直接アップロードする
・Steamworks SDK 経由でアップロードする

今回は過去記事と同様にZipファイルを直接アップロードする方法を実施します。

2-1. Zipファイルアップロード

アップロードするページへ移動します。
→「SteamPipe」タブ 
→「ビルド」
→「こちら」


アップロードするページにこれました。


Windows向けのビルドをアップロードします。
Unityでビルドして出来上がったフォルダをまるごと圧縮してください。
そのファイルを「ファイルを選択」より選んで「アップロード」を押します。
その後、「アップロード」ボタンだった箇所がゲージに変化し、アップロードの進捗がわかります。


アップロード完了後、下にメモ欄が出現します。
メモ欄にバージョン情報など 後から見た時に区別がつくような内容を記入して「Commit」を押します。


macOSの方も続けてアップロードします。

Xcodeで公証済みの.appファイルをZip化してアップロードします。 公証済みの.appファイルの作り方はこちらです。 marumaro7.hatenablog.com

操作画面を更新してから「ファイル選択」→「アップロード」します。
(操作画面を更新せずアップロードしたところうまくいきませんでした。)

アップロード完了後、下にメモ欄が出現します。
メモ欄にバージョン情報など 後から見た時に区別がつくような内容を記入して
「Commit」を押します。


2-2.ビルドの有効化

アップロードしたビルドデータを有効にしていきます。
→「SteamPipe」タブの「ビルド」
→Win用のビルドデータに対して
 「ブランチ用にビルドをライブに設定 ...」の項目を「default」に設定
→「変更をプレビュー」


→「今すぐビルドをライブに設定」


確認のウインドウが出現するため「OK」を押します。


これを行うことで「過去のWindows向け」と
「過去のmacOS向け」、「今回のWindows向け」の内容が一つに統合されます。
(色々試しましたが、新バージョンのみをdefaultにする方法がわかりませんでした。)


macOS用も同様の手順でdefaultに設定します。
新旧のビルドデータが合体したまとまりができていると思います。

3.起動ファイルの指定

起動するファイルがどのファイルなのかを指定します。

→「インストール」タブ
→インストール全般

前回設定時から変更があれば更新しておきます。

4.公開

「公開」タブから
「公開の準備」〜「本当に公開する」を押します。


5.含まれるデポの設定変更

新旧のデポが合体した状態なので不要なデポは対象外にします。

アプリ管理画面まで戻り、「関連する全てのパッケージ、DLC、体験版、ツール」を押します。


ストアパッケージのパッケージタイトルの欄が押せるのでクリック


「デポの追加/削除」を押します。


古いビルドデータが割り当てられているデポのチェックを外します。


これでダウンロードサイズが少なくなるはずなので
古いデータはインストールされないようになっていることがわかります。


デポの設定変更が必要なのは今の画面だけではなくあと2箇所あります。
1つ前の画面に戻って、今実施したデポの追加を「プロモーションあるいは特殊パッケージ」の
2つのパッケージに対しても実施します。

以上で完了です。

おわりに

古いビルドデータのデポと新しいビルドデータのデポが
合体してしまうところがおかしい気がしています。
もっと良いやり方があれば教えていただきたいです。

【Steam】ビルド審査での指摘事項 メモ

はじめに

Steam向けへアプリリリースに向けて
ビルドデータを審査に提出した結果、不合格となりました。

いくつか指摘事項をいただいたのでメモしておきます。

指摘1 知的財産権(IP)の使用許可の提示

提出したアプリはVRoid Studioの配布キャラクターやVRoid Studioで自作したVRMモデルを含んでいる内容です。
それらに対し、使用許可のライセンスの提示を求められました。

配布キャラクターについては、利用規約のURLをレビュー依頼分に添付。
自作キャラクターについては、自作の証明としてキャラクターを編集している様子をスクリーンショットしてGoogle Driveに証拠画像を保存、レビュー依頼分にGoogle DriveのURLを貼り付けました。

指摘2 アプリ内で言語選択オプションが見つからない

自動で言語が切り替わるようにしていましたが、
アプリ内で言語切り替えできるようにした方が良いようです。

指摘3 スクリーンショット・PVとのアプリ内容不一致

スクリーンショット・PVはVRoid Hubからアプリ実行中にインポートしたモデルを採用しており、アプリ自体には含まれていませんでした。

外部からダウンロードされたもの である場合、「このモデルはインポートしたモデルであり、アプリには含まれません」といった文言を追加する必要があるようです。

【Steam】アイコンの変更方法

はじめに

Steamworks上のどこでアプリアイコンを変更するのかのメモです。

設定変更が必要なのは2種類

アプリアイコンが変わった時には下記の2種類を変更する必要があります。
・アプリケーションファイルのアイコン
・Steamライブラリ上に表示されるアイコン

いずれもアプリ管理画面の
「Steamworks設定を編集」の画面で行います。


アプリケーションファイルのアイコン

「インストール」タブ > クライアント画像 の画面にて変更できます。


Steamライブラリ上に表示されるアイコン

「コミュニティ」タブ > アセット の画面にて変更できます。

変更後、公開して完了

設定変更の反映は「公開」タブで行います。

※手順は省略します。

【Steam】アップロードしたビルドデータをSteam経由でダウンロードして動作するか確認する方法

Steamにビルドデータをアップロード後、
どうやってSteam経由でダウンロードして動作確認するの?
となったので一応書いておきます。

marumaro7.hatenablog.com

上記の作業後、対象のアプリのストアページを見てみると、
普通にライブラリにあるということなのでSteamを開いたらインストールできました。(完)

【Unity】Steamにビルドデータをアップロードする方法 macOS Windows

はじめに

UnityでビルドしたmacOSWindows用のデータを
Steamに初めてアップロードした方法を残します。

前提として、Steam開発者登録とストアページの公開が済んでいるものとします。

1.アップロードの準備

最初にデポの作成を行っていきます。

デポとは、
「ファイル群の論理的な集合体で、単一のグループとしてユーザーに配信されます。」
らしいです。

とりあえず進んでいきしょう。

1-1.デポの新規作成

まず、Steamworksにログインしてアプリ管理画面を開きます。

→「Steamworks設定を編集」を押します。


→「SteamPipe」タブ
→「デポ」


→「新しいデポを追加」


作成するデポに対して名前の入力とデポIDの選択を求められます。
デポの名前:Windows用とわかるようにしたいので「自分のアプリ名 Win」としておきます。
デポID :デフォルトのままで問題ありません。
追記 :「 自分のアプリ名 Win v0.1.1」などバージョン情報を入れた方がアップデートの際にわかりやすそうです。


macOS用にもデポを作成したいため続けてもう一度「新しいデポを追加」を押して作成します。
デポの名前:macOS用とわかるようにしたいので「自分のアプリ名 Mac」としておきます。
デポID :デフォルトのままで問題ありません。
追記 :「 自分のアプリ名 Mac v0.1.1」などバージョン情報を入れた方がアップデートの際にわかりやすそうです。


追加後、このような画面になっていると思います。


こちらはオペレーティングシステム
WindowsMacへそれぞれ変えておけば問題ありません。
「保存」をお忘れなく!


1-2.デポの追加

アプリ管理画面まで戻り、「関連する全てのパッケージ、DLC、体験版、ツール」を押します。


ストアパッケージのパッケージタイトルの欄が押せるのでクリック


「デポの追加/削除」を押します。


先程作成したデポが表示されているはずです。
両方を追加して保存します。


「含まれるデポ」に新規作成したデポが追加されました。


デポの追加が必要なのは今の画面だけではなくあと2箇所あります。
1つ前の画面に戻って、今実施したデポの追加を「プロモーションあるいは特殊パッケージ」の
2つのパッケージに対しても実施します。


1-3.デポの公開

デポに対してビルドデータのアップロードを行うのですが、
今までの設定を「公開」というものを実行しないとアップロードができません。

ここからはそのための手順になります。

→アプリ管理画面
→「Steamworks設定を編集」


→「公開」タブ
→「公開の準備」


→「Steamに公開」ボタンが出現するので押す。


→確認コードを入力しろと言われるので説明文の通りに確認コードを入力
→「本当に公開する」
※未リリースの場合はリリースされるわけではないのでご安心を。

これでビルドデータをアップロードする準備ができました。


2.ビルドデータアップロード

ビルドデータのアップロードは2種類あります。
・Zipファイル(最大 2048MB)をSteamに直接アップロードする
・Steamworks SDK 経由でアップロードする

今回はZipファイルを直接アップロードする方法を実施しました。

WindowsmacOSの順番で行っています。

2-1.Windows 向け

2-1-1.Windows Zipファイルアップロード

アップロードするページへ移動します。
→「SteamPipe」タブ 
→「ビルド」
→「こちら」


アップロードするページにこれました。


Unityでビルドして出来上がったフォルダをまるごと圧縮してください。
そのファイルを「ファイルを選択」より選んで「アップロード」を押します。
その後、「アップロード」ボタンだった箇所がゲージに変化し、アップロードの進捗がわかります、


アップロード完了後、下にメモ欄が出現します。
メモ欄にバージョン情報など 後から見た時に区別がつくような内容を記入して「Commit」を押します。

2-1-2.Windows ビルドの有効化

アップロードしたビルドデータを有効にしていきます。

「SteamPipe」タブの「ビルド」のページに移動すると、先程はなかった項目が増えているはずです。


「ブランチ用にビルドをライブに設定 ...」の項目を「default」に設定して
「変更をプレビュー」を押します。


「今すぐビルドをライブに設定」を押します。


確認のウインドウが出現するため「OK」を押します。


2-1-3.Windows 起動ファイルの指定

起動するファイルがどれなのかを指定する必要があるので設定していきます。

→「インストール」タブ
→インストール全般


→「新しい起動オプションを追加」


→「編集」


ここではアップロードファイルにおいて、
フォルダを圧縮する前の状態における.exeファイルまでのフルパス
「実行可能ファイル」に書きます。

たとえば、
フォルダ名が「AAAA」になっており、その中の起動ファイル「BBB.exe」を
実行することでアプリが動くとしたら
AAAA/BBB.exe
と書きます。

また、オペレーティングシステムを「Windows」にしておきます。

入力後、「更新」を押して設定を反映します。


もし、「実行可能ファイル」の入力内容が間違っていると
「公開されたデフォルトブランチは「〜.exe」を含みます」
という項目が出現してしまいます。


2-2.macOS 向け

2-2-1.macOS用 Zipファイルアップロード

Xcodeで公証済みの.appファイルをZip化してアップロードします。
公証済みの.appファイルの作り方はこちらです。 marumaro7.hatenablog.com


アップロードするページへ移動します。
→「SteamPipe」タブ 
→「ビルド」
→「こちら」


→「ファイルを選択」
→「アップロード」


アップロード完了後、下にメモ欄が出現します。
メモ欄にバージョン情報など 後から見た時に区別がつくような内容を記入して
「Commit」を押します。


2-2-2.macOS ビルドの有効化

アップロードしたビルドデータを有効にしていきます。
→「SteamPipe」タブの「ビルド」
macOS用のビルドデータに対して
 「ブランチ用にビルドをライブに設定 ...」の項目を「default」に設定
→「変更をプレビュー」


→「今すぐビルドをライブに設定」


確認のウインドウが出現するため「OK」を押します。


これを行うことでWindows向けとmacOS向けの内容が一つに統合されました。


2-2-3.macOS 起動ファイルの指定

macOS向けでも起動するファイルがどのファイルなのかを指定します。

→「インストール」タブ
→インストール全般


→「新しい起動オプションを追加」


追加した項目に対して「編集」を押します。



「実行可能ファイル」はWindowsとは違って.appファイルを直接圧縮しているはずなので、
.appファイルの名前を入れます。

たとえば、
AAA.app ファイルを圧縮してアップロードしている場合、
AAA.app
と入力します。

オペレーティングシステム」は「macOS」を選択します。

→「更新」


「公開」タブから
「公開の準備」〜「本当に公開する」を押します。


これで完了です。

おわりに

以上でSteam経由からアプリをインストールできるようになっているはずです。

marumaro7.hatenablog.com

参考

indiegamesjapan.com

kan-kikuchi.hatenablog.com

kan-kikuchi.hatenablog.com

kan-kikuchi.hatenablog.com

note.com

【Unity】Steam向けのMacアプリをAppleからの公証を受けた状態にする

はじめに

MacアプリをSteam配信するにあたり、
Appleからの公証を受けた状態でデータをアップロードすることが推奨されています。

本記事は公証を受ける手順をまとめた記事になります。

注意
iOSでのアプリリリース経験がある方向けに書いていくため
既に実施済みであると思われる内容は外部記事を貼る程度の説明にします。

公証とは?

公証(notarization)とは、Appleがアプリをスキャンし、
悪意のあるソフトウェアが含まれていないと確認することを指します。

公証を通過したアプリは、
macOSのセキュリティ機能であるGatekeeperによって
Developer ID証明書が検証され、安全なソフトウェアであることが確認されます。

Appleのページを流し読みすると概要はなんとなくつかめるかと思います。

developer.apple.com


ちなみに、公証を受けないと別端末でのテストが不便です。
Unityでビルドしたアプリを公証を受けずに別のmacOS機で起動したところ、
画像のウインドウが出現して起動できませんでした。

公証を受ける手順

公証を受ける手順は6ステップです。

1.Apple Developer Program(有料) への加入
2.Certificate Signing Request(CSR) を作成
3.Certificateの作成
4.UnityでMac向けにビルド(.xcodeproj 作成)
5.Xcodeでの権限設定
6.Xcodeから公証の申請をする

1.Apple Developer Program(有料) への加入

お金を払ってAppleDeveloperになる必要があります。
2024年4月に更新した際は12,980円/年でした。

hirokuma.blog

2.Certificate Signing Request(CSR) を作成

iOSにリリースしている方は作成したことがあると思いますが、
iOS用に作成したCertificate Signing Request(CSR)は使えないため
新規作成が必要です。

2.1 キーチェーンアクセスを起動

キーチェーンアクセスの場所
→Finder
→アプリケーション
→ユーティリティ
→キーチェーンアクセス


2.2 認証局に証明書を要求 を選択

→画面上のキーチェーンアクセス
→証明書アシスタント
認証局に証明書を要求


2.3 証明書情報の入力

・メールアドレス 自分のメールアドレスを入力
・通称
 通称はなんでも良いですが、
 自分の名前+Steam Mac Key とでもしておくと良いでしょう。
 例:Taro Yamada Steam Mac Key
・ディスクに保存 にチェック
・鍵ペア情報を指定 にチェック

→右下の「続ける」を押して進めます。


2.4 ファイル名を決めて保存

ファイル名と保存先の設定を求められます。

ファイル名
 名前はなんでも良いですが、
 SteamMac_CertificateSigningRequest.certSigningRequest
 としておくと後々分かりやすそうです。

ファイルの保存場所
 デスクトップでOKです。

→「保存」を押します。


2.5 鍵ペア情報の入力

鍵ペア情報は以下の設定で進めます。

鍵のサイズ :2048ビット
アルゴリズムRSA

→「続ける」を押して進めます。


ファイルが作成されるので「完了」を押します。


このようなアイコンのファイルが作成されます。

3.Certificateの作成・登録

Appleのデベロッパーページでファイルを作成していきます。


→アカウント


→証明書


→Certificatesの「+」ボタン


→Developer ID Application を選択
→Continue



→Profile Type は 「G2 Sub-CA (Xcode 11.4.1 or later)」を選択
→Choose Fileを押して先ほどデスクトップに保存した
「SteamMac_CertificateSigningRequest.certSigningRequest」ファイルを
 アップロードします。


→Continue



→Download



これで「developerID_application.cer」というファイルがダウンロードされたはずです。
こちらをダブルクリックしてキーチェーンアクセスに登録します。


キーチェーンアクセスに
「Developer ID Application」という証明書があれば完了です。


4.UnityでMac向けにビルド(.xcodeproj 作成)

ここではUnityで.xcodeprojを作成していきます。

Xcodeで公証を進めるため、ビルドプロファイルの
Xcodeプロジェクトを作成」にチェックを入れてビルドしてください。
(最終的にはXcodeから.appファイルで出力します。)


ビルドすると、複数のファイルが出来上がりますので
ファイル生成先は専用のフォルダを作成して指定すると良いでしょう。

私は「Build XcodeData」というフォルダを作成して
ここにビルドデータが保存されるようにしています。

5.Xcodeでの権限設定

生成した.xcodeprojファイルを開いてXcode上で公証申請に必要な権限設定を行います。

5.1 アカウント設定

まず、「Signing & Capabilities」のところで次の2点を確認、設定します。
・「Automatically manage signing」が有効なことを確認
・「Team」に自分のアカウントを設定

5.2 Hardened Runtime 追加

次に「Capability」をクリックして公証に必要な権限を追加します。


一覧から「Hardened Runtime」を探してダブルクリックして追加してください。


5.3 Hardened Runtime 設定

「Hardened Runtime」追加後、Xcodeの画面の下部に
「Hardened Runtime」の項目が追加されます。
こちらでアプリに必要な権限にチェックを入れていきます。

この権限設定は、アプリ内容によって変わるため当てはまるものにチェックを入れてください。
チェックを入れていないとアプリが動作しないこともあるのでご注意を。

今回は、次の4項目にチェックを入れて進めます。
・Allow Execution of JIT-compiled Code
・Allow Unsigned Executable Memory
・Disable Library Validation
・Disable Executable Memory Protection


<メモ1>
Unity公式によると権限設定には最低次の2つの項目が必要と書いてあります。
・Disable Library Validation
・Disable Executable Page Protection
しかし、Disable Executable Page Protectionの項目は見当たらなかったため
無視して進めています。


<メモ2>
公証関係の他の記事を見るとアプリにEntitlementを付与するという項目があります。
こちらは、XcodeでいうEntitlements Fileの内容をコードから設定しています。

Entitlements Fileの内容は、Xcodeで「Hardened Runtime」の
項目にチェックを入れることで自動で入力されます。
そのため、特に自分で瀬定する必要はありません。
将来的にコード上から設定する場合にはこちらを確認することになるため書いておきます。

5.4.アプリ起動確認

権限設定した後はXcodeの再生ボタンを押してアプリが起動するか確認します。
起動できない場合は権限設定を見直してください。

Xcode上から起動すると、Aの機能がうまくいかないが、
公証を受けた状態の.appファイルではAの機能は問題なく動作するということがあったため
起動するかどうかだけ確認できればいいような気がします。

6.Xcodeから公証の申請をする

画面上部のProduct → Archive でアプリを作成します。


作成が終わるとOrganizerの画面が自動で開きます。
(自動で開かなければ画面上部のWindow → Organizerで開いてください)
ウインドウ右側のDistribute Appを押します。

→「Direct Distribution」を選択して「Distribute」


もしこのような画面が出てきた場合は、
PCのログインに使用しているパスワードを入力後、常に許可を押してください。


アップロードが完了すると下記の画面が表示されます。

Uploaded "自分のアプリ名" to Apple notary service.
You will receive a notification when your app is ready for distribution.

日本語訳
Apple公証サービスに「自分のアプリ名」をアップロードしました。
アプリの配布の準備が完了すると、通知が届きます。

以上で申請完了です。


5分ほど経ってOrganizerウインドウのStatusを見てみると
Ready to distribute と表示されていました。

(アップロード後の文面に「アプリの配布の準備が完了すると、通知が届きます」と
 書かれていましたが、特にメール連絡などはありませんでした。)

7.アプリを出力する

OrganizerウインドウでReady to distribute と表示されたアプリをXcodeから出力します。

方法は簡単でReady to distributeと表示されたファイルをクリックして
右下に表示される「Export Notarized App」ボタンを押すだけです。
※Notarizedは公証済みを指す言葉です。

8.公証したアプリの起動確認

出力したアプリをGoogleDriveにアップし、
別のmacOS機でダウンロードして起動したところ
下記のウインドウが表示され無事に起動できました。

おわりに

Steamへのアップロードができていないためこの方法で問題ないかまだわかりません。
問題あれば修正していきます。

参考

zenn.dev

qiita.com

docs.unity3d.com

adventuresjp.com

【Unity】URPプロジェクトにおけるポストプロセス設定に必要な事前知識

要件

Unity 6000.0.33f1

はじめに

URP(Universal Render Pipeline)プロジェクトにおける
ポストプロセス設定に必要な事前知識メモです。

本記事はポストプロセスの各種効果を説明する記事ではありません。
予めご了承ください。


最初に下記の動画を見ていただいた方が全容はつかめるかと思います。
(タイトルにHDRPと書いてありますが、URPでも同じ考え方ができます。)

ポストプロセスだけじゃない!HDRP Volume Framework - HDRP Tips #1

youtu.be


事前知識3つ

事前知識としておさえておきたいのは次の3点です。
・カメラのポストプロセスを有効にする必要がある
・今までのポストプロセスコンポーネントは使わない
・ポストプロセス設定は大きく分けて3層構造

カメラのポストプロセスを有効にする必要がある

エフェクトを設定してゲームビューにエフェクトを反映するには、
Cameraオブジェクトのインスペクターにて
レンダリング>ポストプロセスの項目をオンにする必要があります。

この設定はデフォルトでオフになっているため、
複数のカメラを使用する場合は忘れずにオンにしましょう。

今までのポストプロセスコンポーネントは使わない

URPプロジェクトでは、今までのビルトインパイプラインで使用していた
ポストプロセスのコンポーネントは使用しません。

使わなくなったコンポーネント
・「Post-process Layer」コンポーネント
・「Post-process Volume」コンポーネント

これらのコンポーネントはURPプロジェクトで使用することは可能ですが
ビルトインパイプラインからの移行用に残っているという位置付けのようです。
そのため、積極的に使うことはしない方が良さそうです。

ポストプロセス設定は大きく分けて3層構造

ポストプロセス設定は優先順位が大きく分けて次の3段階になっています。
1.プロジェクト全体に適用するポストプロセス
2.シーン全体に適用するポストプロセス
3.シーン内の一部に限定して適用するポストプロセス

1.プロジェクト全体に適用するポストプロセス

プロジェクト全体に適用される設定ファイルは次の場所にあります。
編集>プロジェクト設定>グラフィックス>Default Render Pipeline

このファイルをクリックすると、
プロジェクト全体のポストプロセスについての設定が項目が現れます。

2.シーン全体に適用するポストプロセス

シーン内でのポストプロセスは、
シーン全体および部分的に適用する場合の両方で
Volumeコンポーネントを使用します。

シーン全体に適用するポストプロセスを設定する場合、
プリセットのオブジェクトが存在するためそれを呼び出すと良いでしょう。

ヒエラルキーの「+」ボタンから
ボリューム→グローバルボリュームでオブジェクトを追加します。

こうすることでVolumeコンポーネント付きのオブジェクトが追加されます。

モード設定を見てみると「Global」設定になっているはずです。
「Global」になっていることでシーン全体のカメラに設定内容が反映されるようになります。


ポストプロセス設定方法としては、「New」ボタンを押し、
設定内容を保存するファイルを新規作成します。


設定内容を保存するファイルが新規作成されたら
「オーバーライドを追加」より好きな設定を追加します。
URPプロジェクトでは大項目として、「Lighting」と「Post-processing」の2項目になっています。


「Post-processing」>「Bloom」を選択すると
以下のようにブルームを設定する項目が追加されます。

このように好みの設定を追加していく内容となります。


3.シーン内の一部に限定して適用するポストプロセス

シーン内の一部に適用するポストプロセスはVolumeコンポーネント
モード設定を「Local」に設定します。

メインカメラとは別のサブカメラを用意し、
サブカメラで映すときは専用のポストプロセスを使う場合で設定してみます。

事例

サブのカメラを作成し、ポストプロセスにチェックを入れます。


Volumeコンポーネントを追加し、モードを「Local」に変更します。


モードが「Local」の場合は、コライダーが必要と怒られるのでコライダーを追加します。
今回はBoxColliderを追加しました。


あとは優先度を1以上にして設定したいポストプロセスを追加すれば完了です。

注意点

注意ポイントは2点です。
・ポストプロセス効果の上書き
・優先順位

注意点1 ポストプロセス効果の上書き

ポストプロセス設定には優先順位が大きく分けて3つあると言いましたが、
上書き設定されていない項目は優先順位が低い設定が引き継がれます。

そのため、明確に消したい効果がある場合は設定値にチェックを入れて
デフォルトの値を入れておくなど設定が必要です。

注意点2 表示優先順位

Volumeコンポーネントのモード設定「Global」と「Local」では優先度が
それぞれ別で管理されそうな感じがありますがモード設定に関わらず共通で判定されます。

例えば、「Global」設定のVolumeコンポーネントの優先度が10で
「Local」設定のVolumeコンポーネントの優先度が5の時、
「Local」設定の範囲内にカメラがあろうとも「Global」設定の内容が反映されます。

そのため、「Global」設定のVolumeコンポーネントの優先度は0固定で
「Local」設定のVolumeコンポーネントの優先度は1以上にしておく必要がありそうです。

おわりに

まだURPプロジェクトでポストプロセス使い込んでいませんが、
今までよりも管理がやりやすくなりそうですね〜。


marumaro7.hatenablog.com

参考

docs.unity3d.com


本筋とは逸れますが、全体設定の項目にある
「ライティング」、「影」の設定は下記の動画が参考になります。

www.youtube.com